社内インタビュー第1弾:リアルな生成AI活用術~経営企画部編~
生成AIの急速な進化により、ビジネスシーンでの活用がますます重要視されています。今回は、社内の様々な部門で活躍する社員にインタビューを行い、リアルな生成AI活用術を紹介します。業務効率化や競合分析、資料作成など、具体的な活用事例を通じて、生成AIの可能性を探ります。
また、自社製品である「WowTalk AI」をどのように活用し、業務の生産性向上に貢献しているのかについても深掘りします。
本コラムは第1弾〜第3弾まであります。本記事では第1弾として経営企画部にお話を伺います。第2弾はこちら、第3弾はこちらになります。
目次
生成AIの活用状況“リアルなところ”教えてください
経営企画部では、予実管理の他、競合分析や各種会議体の対応を主な業務とされています。WowTalk AIリリース後は、生成AIタスクチームの事務局が発足しそちらの対応もしています。
今回は、経営企画部担当Iさんに生成AIに関して“忖度なし”の率直な意見をお話しいただきました。
質問リスト
①普段の業務で生成AIをどのように活用していますか?
②生成AI活用後具体的にどのような変化がありましたか?
③WowTalk AIの他社製品との比較、優れている点、及び今後期待する機能や改善点があれば教えてください
「生成AIを使わない日はない」それぐらいフル活用しています
——Iさんは日頃生成AIをどのように活用されていますか?
経営企画部 I:そうですね、一番使っているのは競合分析のところです。具体的には、他社のIR資料を生成AIに読み込ませて、その上で分析を依頼し、壁打ちをしています。他は今後の展開予想やネガティブな感想を聞いたり、競合他社の情報やコンテンツのアイデア出しにも生成AIを活用しています。
——これまでも同じように競合分析業務をされていたと思いますが、活用前後で何か変わりましたか?
経営企画部 I:以前も今も、自分で資料を読んで分析すること自体は変わっていません。ただ、財務面など自分では分析しきれない部分や、形を変えてみたいと思ったときに生成AIの力を借りていますね。自分の視野だけでは見切れない部分を補完するという意味で役立っています。
あと、経営企画部では週に1回の勉強会で書籍を読んで感想を共有したり事例を紹介したりするという時間を設けているのですが、専門性が高い書籍で難しい用語が出てきたときは生成AIを活用してわかりやすく説明してくれるのが助かります。
——ちなみに、どんな本を読んでいるのですか?
経営企画部 I:法律関係の特別措置やコーポレートファイナンスなどですね。
——法律関係……それは確かに難しいですね。
経営企画部 I:これまではGoogle検索をしていたのですが、それよりも自分が求めている情報に近い回答が得られます。質問の仕方も、「新卒でもわかりやすいように説明してください」というような感じで、自分が欲しい回答が得られるように工夫しながら聞いたりしています。
メール作成時間は半分に短縮、0→1にかける時間がなくなりました
—— 他にどんな使い方をしていますか?
経営企画部 I: 会議体の議事録作成や業務で頻繁に行う作業の構成、メール作成など、文章を考える際に、効率化を図るために使っています。メールは基本的に社外役員や弁護士の先生など文章の内容や表現に特に気を遣う方に送ることが多いので、生成AIに文章を作成してもらい、それを修正するような形にしています。もちろん文章の内容は自分で考えなければいけませんが、構成を生成AIに任せることで時間を短縮できます。
—— 体感として、効率化具合はいかがですか? メールの内容を考えることにも時間がかかっていたと思いますが、今はどうでしょうか?
経営企画部 I: 体感としては、これまでの半分ぐらいは短縮できていると思います。素案を生成AIに作成してもらって少し修正するだけで済むので、以前のようにゼロから文章を考える必要がなくなりました。整える部分はなるべく効率を図りたいので役立ってますね。
——かなり理想的な使い方でフル活用していますね!
※デモ検証のため、あえて表現を崩した文章でAIに問い合わせをしています
検索利用でもAIに軍配、理由は〇〇
——検索利用する人、文書作成・表作成など結構分かれている感じもありますが、Iさんもいわゆる従来の検索ツールとしての使い方はしていますか?
経営企画部 I:意識はしていませんでしたが、そういえば検索もほぼ生成AIでやってるかもしれないですね。
——生成AIの方がいいと感じられるポイントはどこにありますか?
経営企画部 I:速さ、出力内容、そして、生成AIによっては、出力内容の引用元も表示してくれるので、確認したい場合は引用元を確認して情報の新しさを判断できます。Google検索の場合、欲しい情報が1ページ目に表示されない場合も多く、開いて中身を確認する手間がかかります。広告も多いので、煩わしさを感じてしまうことも少なくありません。生成AIなら、検索結果がテキストベースで出力されるので、自分が欲しい情報に絞り込みやすいです。生成AIタスクチームの事務局をやっているので、新しいツールを試したり、他社事例を調べたりする際にも、積極的にAIを活用しています。
—— なるほど。逆に、検索エンジンでなければできないことは何かあると思いますか? リアルタイムな情報検索などでしょうか
経営企画部 I:確かにリアルタイムの情報ぐらい。でも、リアルタイムの情報なら、SNSで調べたり、ニュースサイトのURLを踏んだりする方が早いかもしれません。私は、調べ物をする際はInstagramのタグを見たりします。検索エンジンは、サブ的な位置づけになっていくのではないでしょうか。深く知りたいものほど、あまり使わないかもしれません。
生成AIタスクチーム事務局として、AIでどんなことができるか日々検証中
——Iさんは生成AIのタスクチームの事務局をやられていると思いますが、そこではどんなことをされているのでしょうか?
経営企画部 I:各部署の人たちからの困りごとや要望に対して、生成AIを使って検証したりしています。例えば、会社の文章のルールに則った文章が書けているかを目視で確認するのは煩雑だという話がありました。そこで会社のルールをPDF化して生成AIに読み込ませて文章を構成してもらったところ、100%ではありませんが、ルールに沿って構成してくれて、修正箇所を指摘してくれました。NG表記を排除しながら製品名などの全角・半角やスペースなども修正してくれるので、検証作業が効率化しました。
——それ、すごくいいですね! 私も今度活用させていただきます。他にはどんな要望が挙がっていますか?
経営企画部 I:プレゼンテーション資料を作る際の効率化について相談を受けました。生成AIだけでは完結できませんが、どういうプロンプトが適しているかなどを検証したりしています。まだ完璧ではありませんが、ある程度の流れはできてきました。
——ぜひ最終的にはプロンプト化していただきたいです
経営企画部 I:そうですね。プロンプトがプリセットされていれば、生成AIももっと使い勝手が良くなると思います。生成AIを積極的に活用している企業のインタビューで、全社のルールとして共通のプロンプトがあるという話を聞きました。そういったものがあれば、会社全体で使いやすくなるのではないかと思います。
——積極的に生成AI活用している企業はプロンプトが出来上がってるんですね
経営企画部 I:企業によって異なりますが、20個ぐらいの公式プロンプトがあり、みんながそれを使って業務活動をしているというケースもあるようです。生成AIを使ったコンテストを実施することで、社員が積極的に活用する体制を整えている企業もあります。また、全社的に生成AIを業務活用するという取り組みをして、その活動をNoteで発信しているところを見かけます。
データが学習モデルに利用されない、安心して使えるのがWowTalk AIの魅力
——さまざまな業務で生成AIを活用しているIさんですが、Iさんから見てWowTalk AIの魅力はどこにあると思いますか?
経営企画部 I:WowTalk AIの優れている点は、入力したデータが学習モデルに利用されないことかなと思います。機密情報や個人情報をどこまで入力していいか迷うことなく、そのまま打ち込める点は安心して使えますよね。セキュアな環境でリーズナブルな価格で利用できるのがWowTalk AIの強みだと感じています。
WowTalkのAIだから期待したいこと「検索機能」
——一方で、今後WowTalk AIに期待したいことや要望があればお聞かせください。
経営企画部 I:過去のトーク履歴を検索して、特定のやり取りを引っ張り出す機能があるといいですね。「このときに誰々とこういうトークした記憶があるけど、そのトークを引っ張ってくれませんか?」みたいに聞けたら便利だと思います。「誰かとこの資料をやり取りした気がするけど、あまり覚えていない。探してくれませんか?」とか。AIが当時のトークを探してくれるようになると、コミュニケーションツールであるWowTalkにAIが搭載されてる強みになるのかなと個人的には思います。
——まさにWowTalkのAIという感じですね。社内の利用率も上がりそうです。
経営企画部 I:他にも、現状は読み込み可能なファイルの形式が限定的だったり、URLからの引用がうまくいかなかったりするので、そこの精度を上げてもらえると嬉しいです。また、今はChatGPTのみですがいろいろなLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)に対応してもらえるとよいと思います。それぞれ特色があるので、選べるようになるとより使いやすくなるのではないでしょうか。
——それができるようになったら最強ですね。
WowTalk AIの活用ワークショップで利用の差を埋めていきたい
経営企画部 I:あとは機能の要望ではないのですが、全社向けに対しても、社外向けに対しても、WowTalk AIの活用ワークショップがあると良いなと思います。正直、社内でもどれぐらいの人がWowTalk AIを利用しているのか、正確な割合はわかりません。ユースケースを共有できれば、より多くの人が使おうという気持ちになると思います。タスクチームをやっていて感じるのが、人によって利用頻度に差があることです。使わない人はほとんど使っていない一方で、毎日使う人もいます。なるべくその差を埋めたいと思っています。
—— 人によるのか、部署によるのか、どちらが大きいと思いますか?
経営企画部 I: 人による部分が大きいと思います。もちろん、業務プロセスに紐づく部分もあるとは思いますが、そもそもの価値観や姿勢も影響していると感じます。
—— Iさんから見て、社内ではどうすればもっと活用が進むと思いますか?
経営企画部 I: 結局、実際に使ってみて便利だと実感しないと、なかなか使おうとは思わないのではないでしょうか。強制という言葉はよくないですが、一度は使ってみてもらう機会を設けることが活用促進には有効だと思います。全社的に生成AIを活用する文化を定着させるには、何らかのきっかけが必要かもしれません。
セキュリティが厳しい企業はWowTalk AIがおすすめ
——最後に、どんな企業にWowTalk AIがおすすめだと思いますか?
経営企画部 I: 機密性が高い情報や個人情報を取り扱う企業で、AIを活用したいと考えている企業に最適だと思います。WowTalk AIではPDFやPPTXといった文字情報を含んだドキュメントファイルが読み込み可能ですので、テキストベースでAIを利用したい企業に適しているのではないでしょうか。
まとめ
今回の取材では、経営企画部のIさんから、生成AIの業務活用について率直な意見や感想をお話しいただきました。生成AIを活用した競合分析、メール作成、会議議事録の作成方法など、具体的な業務利用の実例を通して、生成AIの有用性についてご紹介いただきました。
特に、生成AIタスクチーム事務局として各部署からの困りごとに対応するため取り組みは、Iさんならではの貴重なお話しだったのではないでしょうか。
本コラムが、生成AIの導入を検討する際にお役に立てれば幸いです。
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