エクセル日報の作り方やテンプレートを紹介!メリット・デメリットも解説
日報の運用に、Microsoft社が提供する「Excel(エクセル)」を活用したいと考えている方は多いのではないでしょうか。エクセルを活用した日報は、カスタマイズの自由度が高いことが特徴で、自社の運用に応じてテンプレートの内容をアレンジすることができます。
本稿では、エクセルを使った日報について、その作り方や種類別のテンプレート、運用に必要なものを紹介します。また、日報の運用にエクセルを用いることの、メリットとデメリットも合わせて解説。「エクセルを活用した日報の運用を検討している」という方はもちろん、「エクセルを使った日報の作り方やテンプレートを知りたい」という方も、ぜひ参考にしてください。
目次
エクセル日報の作り方
まず始めに、エクセルを使った日報の作り方を解説します。「エクセルの日報を作成したことがない」「エクセルを使った日報の運用方法を、これから検討していく」という場合は、作成方法から理解していきましょう。エクセルの日報は、2つの手順を踏むことで作成できます。
①基本的な項目を知る
1つ目の手順は、基本的な項目を知ることです。エクセルは、あくまでも表計算ソフトであり、日報専用のツールではありません。日報専用のITツールのように、システム側が自動で項目を設定することはできないので、自分たちで項目を考えて、エクセルをカスタマイズする必要があります。
その際に重要となるのが、日報における基本的な項目への理解です。「どのような項目が必要なのか」を理解しておくことで、エクセルをカスタマイズする際に、項目の設定に戸惑うことなく、スムーズに作成できるようになります。
それでは実際に、どのような項目を押さえておくべきなのか? 業種や職種によって多少の違いはありますが、おおまかには、以下5つの項目を基本として押さえられるとよいでしょう。
- 今日の目標
- 業務内容
- 所感(反省・気づいたこと)
- 共有事項
- 明日の目標
これらの項目を押さえることで、日報を確認する側は、提出者がどのような仕事を行ったのか、その中で得た気づきや考えたことは何か、今後はどのように行動していくのか、といった情報を知ることができます。
また、提出する側も、これらの項目を記入することで、日次でPDCAサイクルを回す習慣が身につくので、自己成長の促進に役立てることができます。
②テンプレートを作成
基本的な項目を理解したら、それに基づいてテンプレートを作成します。理由は、テンプレートを作成することで、日報の運用を効率化できるためです。日報を作成する際に、ゼロからエクセルをカスタマイズする作業が不要となる他、フォーマットが統一されることで、「書き手ごとに様式が異なり、確認者が混乱してしまう」といった事態も防ぐことができ、効率よく日報を運用できます。
テンプレートに設定する項目は、業務の内容や特性によってアレンジできるとよいでしょう。例えば、営業職のように予算管理が重要な職種の場合、予算の達成状況や案件ごとの進捗状況を日報上で共有する必要があります。また、工数管理を行う部署においては、作業の進捗状況や完了までに要した時間などの情報を記入する必要があるでしょう。これらの必要な情報に合わせて、テンプレートの項目をアレンジするのがおすすめです。
エクセル日報のテンプレート・ひな形
ここからは、エクセルの日報を作成する際に役立つ、テンプレート・ひな形を紹介します。
汎用
さまざまな業種や職種で使える汎用的なテンプレートです。日報に必要な基本項目を網羅しています。そのまま利用しても問題ありませんし、このテンプレートをベースに、業務内容に合わせて項目をアレンジしてみてもよいでしょう。
営業日報
営業職の方の日報に活用できるテンプレートです。業務内容を時系列の順番に並べることで、マネージャーが営業パーソンの行動を把握しやすくなっています。営業職の方は、会社を離れて単独で行動することも多く、従業員同士が対面できる機会が少ないため、対面以外にも、コミュニケーションや情報共有を行える場所や機会を設けることが、チームの連携強化においては重要です。こちらのテンプレートを活用することで、営業パーソンごとの行動内容や数値進捗といった情報を、日報からキャッチアップしたり交換したりすることができます。
業務日報
業務日報として使えるテンプレートです。業務内容が記述式となっており、行った業務について詳細に記入することができます。また、進捗管理の項目は、進捗率を記入する書式となっているので、担当しているタスクの進捗状況を可視化して報告することが可能です。業務管理や、中期的なタスクの進捗管理に役立つテンプレートです。
エクセル日報の運用に必要なもの
エクセルを活用した日報を運用するためには、いくつか用意しなくてはならないものがあります。具体的には、以下のものを揃えておくことが必要です。
- エクセルが使えるPC
- インターネット環境
- メールアドレス(あれば便利)
それぞれについて解説します。
エクセルが使えるPC
まず1つ目の「エクセルが使えるPC」について、これは、OfficeソフトのエクセルがインストールされたPCを意味します。当然のことながら、エクセルを使って日報を運用するためには、エクセルを利用できる端末が必要です。そして、端末に関しては、作業のしやすさや利用できる機能の範囲、汎用性の高さといった点から、PCが推奨されます。
スマートフォンやタブレットからエクセルを利用することも可能ですが、PCと比較して、作業がやりにくく、使える機能も制限されているので、あまりおすすめできません。そのため、可能であれば、端末はPCを用意できるとよいでしょう。
インターネット環境
2つ目の「インターネット環境」について、これは、日報を提出したり確認したりするために必要なものです。エクセルで作成した日報の提出方法は、大きく分けて2つあります。1つは、メールに添付して送ること。2つ目は、社内の共有フォルダに格納することです。どちらの方法においても、端末がインターネットに接続されている必要があります。そのため、運営側は、提出する人や確認する人が、端末をインターネットに接続できる環境を用意することが必要です。
メールアドレス
3つ目の「メールアドレス」について、これは、必須というわけではありませんが、あると便利なものです。メールアドレスを所有していれば、メール添付によって、日報を提出することができます。
社内の共有フォルダに格納する方法で運用を行えば、メールアドレスがなくても問題はないため、“絶対に必要なもの”というわけではありません。しかし、共有フォルダに格納する方法は、アクセス権の問題や、提出や確認にあたっての作業効率が悪いという課題に直面しやすく、社内の状況によっては、運用に適さないと判断されることもあります。
その観点から、あらゆる状況でも問題なく利用でき、かつ手軽に使えるメールを活用した方法が好ましいといえます。そして、そのためにはメールアドレスを用意する必要があるので、必須ではありませんが、用意できると、日報の運用をより効率的なものにできるでしょう。
エクセル日報のメリット3選
エクセルを使って日報を運用をする3つのメリットを紹介します。
①追加コストが不要
1つ目は、追加コストが不要である点です。すでにエクセルを利用している企業であれば、新たに費用をかけることなく、日報の運用を開始できます。日報は、専用のITツールを使って運用されるケースも多いです。しかしその場合、システム利用料を一定の期間で支払う必要があり、ランニングコストがかかります(多くのサービスが月額制)。その点、エクセルを使った運用は、すでに利用しているソフトウェアを活用するので、追加の費用がかかりません。コスト不要で手軽に始められる点は、エクセルを使った日報の運用における大きなメリットといえるでしょう。
②カスタマイズの自由度が高い
2つ目は、カスタマイズの自由度が高い点です。文字の大きさや色を変更したり、入力領域を拡大したり、プルダウンで入力候補を設定したりすることができます。このように、さまざまなカスタマイズが行えるので、自社の運用に合った最適な書式にアレンジすることが可能です。
さらに、関数機能を使えば、日報に入力された数値をエクセル上で自動集計することもできます。例えば、予算実績の総和を抽出したり、特定の業務における作業時間の平均値を算出したりすることができるのです。ツールの仕様に影響を受けず、自社のやり方に合わせて自由にカスタマイズできる点は、エクセルを使った日報ならではのメリットといえるでしょう。
③使い慣れた人が多い
3つ目は、使い慣れた人が多いことです。エクセルはビジネスにおいて広く普及しているツールなので、多くのビジネスパーソンが基本的な使い方を理解しています。ツールの使い方について、改めて教育や研修を行う必要がないので、迅速に利用を浸透させることができます。また、教育や研修にかかるコストも最低限で済ませることができるので、運用コストの圧縮といった観点からも、大きなメリットがあります。
エクセル日報のデメリット3選
続いて、エクセルで日報を運用することのデメリットを、3つ紹介します。
①過去のファイルを検索しにくい
1つ目は、過去のファイルを検索しにくいことです。エクセルで作成された日報は、ファイル形式としてフォルダに保管されますが、仕様上、ファイル内の文字検索に対応していないことが多いので、何か情報を拾いにいく際は、ファイルをひとつずつ開いて確認していかなければなりません。
日報は、各従業員が得た気づきや経験を、会社のナレッジとして蓄積・活用できる施策です。しかし、そのナレッジを適切なタイミングで活用するためには、スムーズに情報を検索できる必要があります。ひとつの情報を拾うために、何個もファイルを開いて確認しなくてはならないとなると、日報をナレッジとして活用することは、作業効率の観点から実践することは難しくなるでしょう。
②コミュニケーションが取りづらい
2つ目は、コミュニケーションが取りづらいことです。エクセルは、ファイル上で直接コミュニケーションを行えないので、フィードバックしたりやコメントをつけたりするときは、他のコミュニケーションツール(チャットやメール)から別途連絡を送るか、エクセル上のコメント欄に記入して、提出者に送り返すといった手順が必要になります。いずれの手順においても、やり取りに時間と手間がかかるので、日報を土台としてスムーズなコミュニケーションを行うことは難しいといえるでしょう。
また、エクセルで作られた日報は、確認に時間がかかります。ファイルを一つひとつ開く作業が必要だからです。工数のかかる確認作業をこなしつつ、上述の手間をかけてコミュニケーションを行うことは、確認する側の業務効率を低下させる要因となりえます。
これらの理由から、エクセルを使った日報は、基本的に一方通行のコミュニケーションを前提としたものである点を、事前に理解しておく必要があるでしょう。
③スマートフォンで使いにくい
3つ目のデメリットは、スマートフォンで使いにくいことです。全く利用できないわけではありませんが、PCから利用する場合と比較して、かなり使いにくい点は理解しておく必要があります。画面が小さくて文字入力がしづらいですし、端末環境によっては、機能の一部を利用できないこともあるので、基本的には、PCでの利用を前提に運用を設計するのが望ましいです。
まとめ
エクセルを使った日報の運用は、大きく分けて3つのメリットを得られます。1つは「追加コストが不要でできること」、2つ目は「カスタマイズの自由度が高いこと」、3つ目は「使い慣れた人が多いこと」です。ただし、メリットばかりではなく、デメリットとして「検索がしにくいこと」や「コミュニケーションが取りにくいこと」、「スマートフォンから使いにくいこと」の3つが挙げられます。エクセルを使って日報の運用を企画する際は、メリットとデメリットを踏まえたうえで、制度設計を行えるとよいでしょう。
また、エクセルを活用して日報を作成する場合、2つの手順が必要となります。「基本的な項目を知ること」と、「テンプレートを作成すること」の2つです。日報に必要な基本項目を理解し、それをテンプレートに活かすことで、効率的な日報運用を実現できます。テンプレートを作成する際は、ぜひ本稿のテンプレートも参考にしてみてください。
加えて、エクセルで日報を運用するためには、「エクセルが使えるPC」と「インターネット環境」が必要です。可能であれば、「メールアドレス」も用意できるとよいでしょう。これらを揃えることで、エクセルを使った日報運用を行えるようになります。
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