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すべての始まりは”2020年3月の学校休校要請”だった!子育て×テレワークのリアル

公開日:2021.01.19 更新日:2023.10.03

こんにちは。ワウテック株式会社 マーケティング部門の高野です。

未だに多くの感染者数を記録している新型コロナウイルス感染症。

前回(Vol.01)の記事でもご紹介しましたが、ボクは小学生の息子1人と保育園に通う娘が1人います。もちろん、新型コロナウイルス感染症が叫ばれ始めた2020年3月頃に発令された”学校休校要請”以降、子どもたちは自宅待機となり、学校の宿題や習い事の課題などをこなすものの、多めの自由時間が用意された状況でした。

その際、日頃からテレワークを推奨する会社で勤務する(=比較的、柔軟に働くことが可能な)ボクが中心となって、日中、子どもたちをみることになり、つまり「子育て×テレワーク」な日々へと突入していきました。

今回、第2回目の記事では、「子育て×テレワーク」で体験したプラス・マイナス要素を整理してお伝えしていきたいと思います。

きっと、見ていただいた方の中には共感してもらえる部分と、そうでない部分があると思います。ただ、あくまでもボクが経験したものであって、この記事内の内容がすべてではありません。むしろ、当記事を通じて、男女問わず、子育てをしながらテレワーク・リモートワークで仕事をこなす方がどのような状況で働いているのか、その状況をより良くするには何が必要なのか、というのを皆さんが改めて考えるきっかけになれればと思っています。

ぜひ、一読ください。

「子育て×テレワーク」の1日の流れを振り返る

上記は、ボクの会社の就業規則に則った上で作成した、ボク自身の1日の動き、のひな形になります。

ちなみに、ボクの会社の定時は9~18時で、途中1時間のお昼休憩を取得できるため、習い事の送迎等がない限り、基本的には12時からお昼休憩を取得していました。もちろん、家用だけではなく、仕事上、オンラインミーティング・商談が入り、休憩時間が前後することもありました。

仮にお昼休憩以外でどうしても家用が入ってくる際は、定時よりも早めに仕事を開始したり、それに費やす時間分を定時後に補ったり、柔軟に対応していきました。

コミュニケーションルールを決めておくことが、まずは重要に!

◎子育て中の社員にテレワークを導入するデメリット
・企業側のデメリット
 1. 従業員の管理や評価がしづらい
 2. セキュリティー環境の整備が必要
 3. コミュニケーション不足で生産性が低下するケースも
・従業員側のデメリット
 1. 自分で時間管理を行う必要がある
 2. コミュニケーション不足に陥る可能性

参照:
https://www.nice2meet.us/for-employees-raising-children-why-telework

上記は、株式会社ブイキューブが運営するWebメディア「テレワーク ナビ」の2020年4月に公開された記事の一部を抜粋してきたものになります。そこには、企業側、社員側、双方ともに課題として挙げられていたのが、「コミュニケーションによる不安」という記載でした。

実際に、知人や近隣に住むパパママに話を聞ききましたが、「対 会社」「対 上司・部下」「対 同僚」とのコミュニケーションに悩んでいる方が少なくありませんでした。

そこで、まずはじめに、テレワークで「子育てと仕事」を両立させるにあたり、重要だと位置づけられる「(ボク自身が)コミュニケーションをどのようにしていたのか」というのを経験をもとにご説明していきたいと思います。

ボクの会社は年功序列型ではなく、いわゆる成果主義型という評価制度を採用しています。つまり、日々の業務が云々というのではなく、年間、そしてそこから逆算して決められた四半期の目標をミッションとし、業務を遂行しています。そのため、テレワーク時によく耳にする「社員が仕事をしているのかわからない」というような声は聞こえてきません。

ただ、とはいえ、日々の業務がまったく何をしているのかわからない、何をしてもいいというわけではありません。そこはお間違えなく。

前述のような評価制度を設けているというのももちろん大きいですが、すでに日々の業務が各部門で”見える化”されていて、少なくとも各部門長が把握できているからこそ成立していることです。

ボク自身、「どうしているの?何か上手くやる(管理する)方法はない?」という質問をよく知人などからもされますが、下記のようなルールを設けているという話をしています。具体的には、会社としてと、ボクの部門独自で設けているものがあります。

◎会社で決められているルール
1. 翌営業開始までの日報提出
2. 始業時刻・終業時刻の報告
3. 有休やフレックス出勤・退勤の場合はカレンダーに登録すること
※1、2は利用するビジネスチャットの機能を、3はGoogleカレンダーを利用

◎部独自で実施していたこと
1. Weeklyで最低1回は1on1ミーティングを実施
2. Weeklyで最低1回は同じ部に所属するメンバー全員でミーティングを実施
3. 個別ではなく、可能な限り、チームのチャットグループでコミュニケーションを図る
4. すべての緊急時のアナウンスは早めに(=ホウレンソウの徹底)

上記は「特に徹底」を促しているところをピックアップしたわけではなく、これがほぼすべてです。実は、それほど難しいことはやっていないのが正直なところです。

ただ、それを実現させるには、当社が行動指針においている「互いが理解しあえている=Respectできる関係性」や「業務上、積極的に何かにトライする、行動を起こしていこう(=Inovertive、Be Positiveであろう)」というマインドがベースにあることが重要となります。

さらに、日頃のビジネスチャットでのコミュニケーションや、必要に応じて(ビデオ通話ツールを活用して行う)オンラインミーティングで表情を確認しながらの、いわゆる対面形式に近い方法で話すようにしていて、そのあたりの使い分けも大切です。

あと、意外と他社の方が採用していないのが「1on1ミーティング」です。この部分の内容は第1回目の記事で記載したので割愛します。ぜひVol.01もご覧ください。

ボクの場合、このミーティングの時間を重要視していて、その時間帯のテーマをメンバーに決めてもらっています。もちろん、業務の進捗共有や業務上の相談というのが入っては来るのですが、それ以外でも全く仕事には関係のないプライベートのことでもOKにしています。

ビジネス上をオンだとすると、良い仕事をする上で、オンだけではなく、(その人がどんな人なのかを知る=パーソナルを理解できるという意味で)オフの話でも大歓迎!としています。そうすることで、そのメンバーを理解できるので、業務上フォローする際も、アドバイスをする際も最適な形で、それをすることができます。

参考:
Vol.1 外出自粛要請で変わった「働き方」。“ほぼ100%”テレワーク体験談

育児×テレワークの中で見えてきたプラスとマイナス

さて、早々から少し話が反れてしまい、「最適なテレワークを実現させるために、押さえておきたいコミュニケーションルール」という話になってしまったので、本題に戻ります。

3月の学校休止要請、4月の緊急事態宣言発令、そして5月末の緊急事態宣言解除という展開により、次第に、子どもたちの小学校、保育園も通常どおりになっていきます。

ボクの家の話でいうと、6月からは娘が保育園に通常登園するようになり、息子は宣言解除前々の自宅でのオンライン授業、学年での分担登校、そして次第に登校回数が増えていくという形で、6月後半からは通常投稿へと切り替わっていきました。

この数ヵ月間にわたって、子どもたちと長い時間をともにでき、その上でいつもと変わらない仕事ができていたことに関しては、非常にかけがえのない時間でした。

以前、俳優の大泉洋さんがNews ZERO(日本テレビ系列)の取材で、新型コロナウイルス感染拡大が叫ばれる数ヵ月の間、自宅で主夫をずっとしていたとコメントし、その間の娘さんと過ごした時間を「なかなか一緒に子どもと入れないので貴重な時間でした。楽しかったですが、怒涛のような毎日で、子どもを寝かしつけながら一緒に自分も寝ていました」と言ってました。まさに同意です。その言葉に凝縮されている気がしました。

ボクも以前勤めていた企業で育児休暇を1ヵ月半ほど取得した経験を持つのですが、それ以来といっていいほど、子どもたちと時間をともにできた期間でした。子どもたちも一緒にいられることに安心感と満足感を覚えていくれたようです。

ただし、「かけがえのない時間を過ごせる」「子どもたちと一緒にいることで安心した気持ちの中で仕事ができる」等といった良いことがある半面、課題・問題も多く存在しました。

当時は「終わりの見えない”テレワークの長期化”からくる不安と運動不足」などからストレスの蓄積。2ヵ月目以降、子どもたちの口からは次第に「(昼食時)外に遊びに行きたい!」「夕方、早く仕事を終わらせて公園に連れて行って!」という声が出始めました。

周囲でも同様の出来事がちょうど同時期を境に目立ち始めたそうです。さすがに、初めは良くても次第に飽きてきますし、友だちとも外で遊びたくなる……いたって子どもたちからすれば自然な欲求だったはずです。ただ、その声に耳を傾けつつも、仕事をしているからには、素直に聞き入れるわけには行けません。

このように、テレワーク・リモートワークというのがこれまでスタンダードではなかった分、今回の期間を経てこれまで(世の中には)見えなかった課題というのが浮き彫りになりました。そのあたり、会社内・外のパパ・ママに事情を伺ってみました。そして、その中で見えてきたものに近しい調査結果があったので共有します。

※アルヒマーケティング株式会社運営「ARUHIマガジン」調べ

※アルヒマーケティング株式会社運営「ARUHIマガジン」調べ

上記、Webメディア「ARUHIマガジン」が実施した調査(5/8公開の記事)にもあるように、多くの人が「テレワークが便利・働きやすい」と感じながらも、同時に子育てとなると急激に苦戦を強いられていることがわかります。その理由の中には、「子どもが仕事の邪魔をする」や「育児も仕事も中途半端になってしまう」という意見が多く、ボクなんかは特に感じたのは上記でいう「仕事のスケジュール管理が上手くいかない(=途中、家用で臨機応変にスケジュール調整が必要)」が該当していたように感じます。

適度に、外へ連れ出すや遊んであげるというのは、幸いにして昼休みを使ったり、夕方になってから、もしくは早朝に一緒にランニングをすることで(子どもたちが抱えていたストレスというのは)少しは解消できたようで、それには助かりました。

ただ、ボクのまわりには、戸建て・マンション住まい関係なく、騒音トラブルが発生しているというのはよく耳にしました。ボクが住むマンションもそうですが、騒音トラブルの1つであるピアノや大きな物事が発生しかねない作業等というのはルール(8時~20時まで など)が決められているものです。それ以外の時間帯でやることがNGなのはわかりますが、その時間内だとしても普段しない時間帯に声や音が聞こえることで掲示板に張り紙が張られたり、問題が大きくなると直接指摘が入るケースもあったようです。事実、隣人の騒音が理由で東京・足立区では殺傷事件が発生……実際に引っ越しを決断したという方もいました。

まとめ

長期化するテレワークを乗り越えるために、デスク・PCまわりのアイテムを充実させたりと「働く環境の整備」や、業務遂行のためにツール導入やコミュニケーション方法等を見直すことで解決できることもありますし、そこを充実させることも重要です。

ただ、子育てをしながらテレワークをする方、普段から在宅勤務をされている方からすると、それだけでは解決できない、経験しないと見えてこない難しい課題を抱えていることが、この2、3ヵ月を経て見えてきました。

その際、重要となるのがコミュニケーションである気がしています。不安にさせない、個人だけで悩みを抱えさせないためにも、いつでも話し合える・相談できる環境を用意しておくことが重要です。ボクの会社のようなコミュニケーショングループをつくり、かつ1on1ミーティング等を実施することで防げることもあります。そのためにも、対面、電話、メール、ビデオ通話(オンライン会議)、チャットなど、その時に最適な手段で寄り添ってあげることが重要だと考えます。

実際、弊社でも若い社員が不慣れなテレワーク(在宅勤務)からメンタルバランスを崩す、ということもありました。ITに慣れているはずの若者でも決して例外ではありません。

テレワークだからこそ孤立してしまいがちな状況ですし、多くのお客様に見られるように誰もが自由に雑談をできる「雑談グループ」をチャット内に設けたり、日頃から所属する部門単位でも構わないのですが、それをキャッチアップできる仕組みが必要だと感じました。

※ワウテック株式会社は2023年9月1日にグループ会社であるキングソフト株式会社と合併いたしました。

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