在宅勤務はずるい?テレワークへの不満の原因と対策を解説
テレワークの推進にあたって、徐々に出てくるのが従業員同士の不満です。テレワークにおいては従業員の働きぶりや彼らのマネジメントへ個別に対応しなければならないため、新しい仕組みづくりを進めていかなければなりません。
今回は、テレワーク環境で生まれてくることの多いテレワークへの不満や、その原因と対策について、解説していきます。
目次
在宅勤務・テレワークが実施できない原因とは?
テレワークは日本でも普及が進められている新しい働き方ですが、一方で企業や業種によってテレワークの普及率にもギャップがあり、「なぜうちの会社ではテレワークが進まないのだろう?」という疑問を抱えている人も少なくありません。
テレワークが進まない会社が抱える主な要因としては、以下の2つが挙げられます。
①対面接客が不可欠な業務内容のため
一つ目は、対面接客が欠かせない業務が多く発生しているケースです。わかりやすいのが飲食業やホテル業、介護業といったサービス・医療関連の業種で、これらは顧客との対面接客が大前提となる仕事が多く発生するため、テレワークの推進が難しい分野です。
対面そのものがサービスの価値として創出されているため、テレワークの推進は今後も難しく、対面ならではのサービス提供をどう進めていくかがカギとなるでしょう。
とはいえ、勤怠管理や給与計算、進捗管理など、バックオフィス業務は必ずしもオフラインで行う必要はないので、サービス業界のあらゆる業務がテレワーク不可能、というわけではありません。
出社して働く必要がある人、テレワークで対応可能な人の業務を明確に分け、テレワーク可能な業務は徹底してテレワークへと移行することで、新型感染症の予防に努めたり、働き方改革の推進に努めたりが可能です。
②出社が必要な業務があるため
サービス業でなくとも、出社が必要な会社は決して少なくありません。代表的なのが、タイムレコーダーが会社に備わっているため、わざわざオフィスへ出向かなければいけないケースや、システム開発環境が会社サーバーに依存しているために、自宅では作業ができない、あるいはセキュリティの観点からテレワーク対応が不可能、といった事例です。
こういった課題を抱えている場合、一朝一夕でのテレワークの推進はできないため、ある程度オフィス出社も余儀なくされる部分も多いと言えます。
しかし、ある程度の時間と予算をかけることができれば、これらの出社業務も大半はオンライン化し、テレワークでの対応が可能となります。
カギとなるのが、クラウドサービスの導入です。特定のサーバーやコンピューターに依存しないオンラインサービスを実装することで、自宅からの出勤を可能にしたり、仮想環境で開発業務に従事したりといったことが実現します。
また、クラウドサービスはいずれも高度なセキュリティ体制を整えているため、第三者から盗み見られたりといった脅威から守ってくれます。通信環境を整備することで、自宅のインターネットもオフィスレベルの回線へとアップグレードできるため、やはり対策は十分に可能です。
もちろん、高度な機密情報は会社内で扱った方が良いケースもありますが、過剰にセキュリティを意識するあまり、利便性を極度に損なってしまうのは避けるべき事態といえます。
・クラウドサービスとは?図解を用いて初心者にもわかりやすく解説
オフィスで働く社員が在宅勤務・テレワークをずるいと感じる3つの理由
世の中にテレワークが浸透している、あるいは他の部署にはテレワークが導入されているのにも関わらず、自分はオフィス勤務ばかりという人が抱えている不満として、主に以下の3つの理由が挙げられます。
①業務をさぼっているのではないかと感じる
テレワーク環境の従業員に対して抱かれる大きな不信感が、「業務をさぼっているのではないか」というものです。
管理者の目が届かない場で働くとなると、やはりオフィス勤務時よりも細かく咎められることもなくなるため、ある程度手を抜く余地も生まれてきてしまうものです。
もちろん、与えられたノルマを達成し、確実に業務をこなせているのであれば問題はありませんが、テレワークに移った途端、業務効率が停滞し、その分の負担がオフィス勤務者に回ってきているのであれば、不満が大きくなるばかりなのも致し方ないでしょう。
②電話対応・来客対応などの雑務処理が偏っている
2つ目の不満は、オフィスで発生する雑務が全て出社している人たちに偏ってしまっているというケースです。
電話対応や来客対応など、オフィスにいなければ生まれない業務も少なくなく、これまで役割分担していたものを突如として数人の出社組に押し付けられてしまうという事態も想像できます。
テレワークのチームとオフィス業務のチームで均等にノルマが与えられているのにも関わらず、雑務の負担が発生するとなれば、何らかの是正措置を施す必要があるはずです。
③通勤・出社準備を必要としない
3つ目は、通勤の必要がテレワークの場合にはないのにも関わらず、オフィス出社の場合には従来通り発生するということです。
オフィス通勤の場合、移動の負担はもちろんのこと、着替えや化粧などの身支度に時間を取られてしまうため、勤務時間外の負担は大きくなる傾向にあります。
一方でテレワークの場合、自宅から働くという場合にはこれらの負担が重荷となることはないため、テレワーク組と出社組では勤務時間外の時間の使い方、及び負担の面でギャップが生まれます。
テレワークが定着してくると、これまで当たり前だった出社時の負担も、出社組だけが負わされる余計な負荷という認識が広がっていきます。これらの問題に対処するためにも、オフィスワークとテレワークのバランスを検討していく必要があるでしょう。
「ずるくない!」在宅勤務・テレワークで働く社員が感じる3つの不満
テレワークは優遇されていると思われがちですが、テレワークを実践する従業員も彼らなりの不満を抱えています。
①正当に評価されているかわからない
テレワークの実践において大きな問題となるのが、評価が適切に行われているかどうかです。
オフラインであれば管理者が従業員の働きぶりを日頃から確認できるため、大きな心配は必要ありませんでした。
しかしテレワークとなると、成果からでしか働きぶりを評価することはできないため、成果が出なかったら評価はゼロ、成果が出たときだけ加点、といった極端なシステムに陥ってしまう可能性もあります。
従来通り、日頃の取り組み方や、結果までのプロセスを評価できる仕組みづくり、あるいは成果を正当に評価できる仕組みがテレワークには求められています。
②疑問をすぐに解消できない
2つ目の不満が、疑問をすぐに解決できない問題です。オンライン上ではオフィスのように感覚的なコミュニケーションが失われるため、ちょっとしたことでも回答を得るには時間がかかります。
疑問をすぐに解消できないと、その後の業務を進められなかったり、間違えたプロセスで仕事を進めてしまい、大幅な修正作業が生まれてしまったりと、業務に大きな支障をきたすことにもなりかねません。レスポンスを高速で返せるような仕組みの導入も求められています。
③コミュニケーション不足で疎外感を感じる
組織的な活動に従事するとなると、全ての業務をオンラインで完結するのも場合によっては難しいものです。チームワークが求められるプロジェクトなどでは、コミュニケーション不足で企画を詳細に練り込むことが難しかったり、プロジェクトメンバーに疎外感を与えてしまったりします。
こういった感覚的、精神的な負担を軽減するためにも、何らかのコミュニケーション改善手法を取り入れる必要があるでしょう。
・なぜオンラインコミュニケーションは難しい?コツや役立つツールを紹介
在宅勤務・テレワークをずるいと思わせないための3つの対処法
テレワーク導入に伴う従業員間の不満を解消する上では、以下のような対処法が有効です。順に確認しておきましょう。
①徹底した情報共有のルールを明文化する
1つは、情報共有に関するルールを明文化することです。質疑応答はどんな手段で、何時間以内の返答を義務付けるなどして、業務に必要なコミュニケーションが失われないようルールを作りましょう。
適宜クラウドサービスなどを利用し、常にフィードバックが得られる環境などを整備すれば、余計な質疑応答の手間を減らしたり、修正にかかる負担を小さくできます。
②勤務ルール・評価制度を明確にする
2つ目に、勤務ルールや評価制度を見直すことです。テレワーク組とオフィス勤務組で負担がどちらかに偏らないよう、制度改革が必要です。
オフィス勤務にしてもフレックスタイム制を導入するなど、従業員のニーズに合わせた働き方を推奨しましょう。評価面でもテレワーク・オフィスワークの両方の従業員にとって均質化された評価軸を策定することが重要です。
③社内コミュニケーションを活発化させるツールを導入する
チャットツールなどの導入によって、コミュニケーションに伴うコストを小さくするツール導入も必要です。レスポンスを高速化し、連絡や同僚とのコミュニケーションが億劫にならない仕組みを導入しましょう。
・【比較表】社内コミュニケーションツール10選!組織活性化の事例も紹介
適切な対応が在宅勤務の不公平感の軽減へ
在宅勤務に伴う不平不満は、オフィス出社組からはもちろん、テレワーク対応の従業員からも出てくるものです。彼らの不満や改善案の提案を汲み取り、最適なソリューションを導入していくことで、不公平な対応を是正していきましょう。
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