「心理的安全性」とは?いま注目されている理由や企業にもたらす3つの効果を解説
チームマネジメントの重要な考え方として注目される「心理的安全性」。Googleの発表をきっかけにここ数年で耳にする機会が増えた言葉ですが、その意味や注目されている理由についてまだ詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。
心理的安全性とは端的に表現すると、「自分の気持ちや意見を安心して伝えられる状態」を意味する言葉です。今回の記事では、心理的安全性の具体的な意味や注目されるようになったきっかけ、ビジネスにもたらす効果を解説。心理的安全性に関心のある方はぜひ参考にしてください。
目次
心理的安全性とは
心理的安全性とは、「自分の気持ちや意見を安心して伝えられる状態」を意味する言葉です。組織行動論の用語のひとつで、チームマネジメントにおける重要な考え方として近年注目されています。
心理的安全性のある職場では、発言したことによって他者から咎められたり否定されたりすることがありません。
人間関係を良好に保つ上でリスクとみなされるような発言や行動をしたとしても、このチーム内は安全であるという認識が従業員の間で共有されているのが、心理的安全性がある状態です。
心理的安全が保たれた職場では、従業員は自分の意見や考えを、ネガティブな反応を恐れることなく安心して発言することができます。
心理的安全性が注目されるようになったきっかけはGoogle
心理的安全性は、ハーバードビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授によって提唱された概念です。1999年に同氏が発表した論文で、心理的安全性は次のように定義されています。
「チームの心理的安全性とは、チームが対人関係においてリスクを取っても安全であるという共通の信念と定義される」
ただ、当時を振り返って心理的安全性が今ほど注目されていたと感じる方は少ないでしょう。
心理的安全性への注目度が高まったきっかけは、2015年にGoogle社が「生産性の高いチームは、心理的安全性も高い」と発表したことにあります。
効果的なチームを作るために何が必要なのかを検証するために、2012年にGoogleは「プロジェクト・アリストテレス」を立ち上げました。このプロジェクトでは選別した180のチームを対象に「生産性が高いチームに共通していることは何か?」が検証されました。
その結果、「心理的安全性」が最も重要であるということが判明しました。
その他の要素として「仕事の意味」や「相互信頼」、「インパクト」などがありましたが、順位づけをすると「心理的安全性」が生産性の高いチームの条件として最も重要であるという結果になったのです。
先進的企業のGoogleがそのような調査結果を発表したことによって、多くの企業が心理的安全性に関心を寄せるようになりました。
Googleトレンドを見ると一目瞭然
ツール:Googleトレンド
期間:2024年2月から過去5年間分
キーワード:心理的安全性
心理的安全性はGoogleの発表をきっかけに世間からの注目度を高めていきました。
そのトレンドは日本にも波及しており、世の中の流行を調べられるツール「Googleトレンド」を使ってみると一目瞭然です。
上記のグラフは過去5年における「心理的安全性」というキーワードのトレンド推移を表したものとなっています。
右肩上がりで上昇しており、特にここ2〜3年は高い値で推移していることが見てとれます。
心理的安全性が企業の経営にもたらす3つの効果
心理的安全性が注目されているのは、企業の成長においてそれが重要だからです。Googleが発表した通り、生産性の高いチームは環境の心理的安全性も高い傾向にあります。
では具体的に、心理的安全性の高い状態が企業の経営にもたらす効果とはどのようなものか。主な3つの効果を紹介します。
①人材を安定的に確保できるようになる
まず1つ目の効果は、人材を安定的に確保できるようになることです。心理的安全性の高い職場は従業員が安心して働くことができるため、人材の定着率が高く人が辞めにくいです。
現代社会は少子高齢化による若年層割合の低下により、将来的に働き手の数が不足する恐れがあるとされています。そのため、既存の従業員が辞めないということは、今後の企業経営における人的資源の確保の観点から大きなメリットをもたらします。
②組織全体のパフォーマンスが高められる
2つ目の効果は、組織全体のパフォーマンス向上です。心理的安全性の高い職場では他者からの非難や失敗を恐れずに仕事に挑戦できるため、従業員はモチベーションが高い状態で業務に取り組むことができます。
自発的かつモチベーションが高い状態で仕事に臨めることで、従業員の個々の能力が最大化され、結果として組織全体のパフォーマンス向上に大きな効果が期待できます。
③イノベーションが生まれやすくなる
3つ目の効果は、イノベーションが生まれやすい環境を作れることです。心理的安全性の高い職場では、誰もが自由に意見を発することができます。会議や日常のコミュニケーションの中で多様な意見やアイデアが多く出されることで、イノベーションが生まれる確率が高まります。
また素直な意見が言えることもイノベーションが生まれやすくなる理由のひとつです。相手の顔色を伺ったり誰かに忖度したりしていては、革新的なアイデアを生み出すことはできません。そういったものに囚われることなく、自由な発想で意見を言えることがイノベーションを創出するためには重要です。
心理的安全性の高い職場はそうしたイノベーションの創出に必要な条件が揃っているため、心理的安全性がない職場と比べて革新的なアイデアが生まれやすくなります。
心理的安全性の向上にはコミュニケーションが重要
心理的安全性を高めるためには、適切なコミュニケーションが重要です。
お互いが信頼し合うためには、まず相手のことをよく知る必要があります。相手の考え方や性格を知ることで、相手の気持ちに寄り添った行動が取れるようになります。そして相手のことをよく知るためには、やはり日頃のコミュニケーションが大切です。
手軽に使えるコミュニケーションツール「ビジネスチャット」
コミュニケーションのためのツールはさまざまな種類がありますが、おすすめはビジネスチャットです。
個人用SNSのビジネス版ですが、吹き出し風のデザインで軽快にやり取りできることから、メールに代わる連絡手段として多くの企業で導入が進んでいます。
「メールだとかしこまりすぎて連絡するハードルが高い」という方も、ビジネスチャットであれば日常のSNSと似たような感覚で手軽に使えるので、よりコミュニケーションがおこないやすくなるでしょう。
メールアドレスがない従業員でもスマホとアカウントさえあれば利用できるという点も魅力です。
ビジネスチャットなら「WowTalk」
ビジネスチャットをお探しの方におすすめなのが、シンプルな操作性が特徴のチャットコミュニケーションツール「WowTalk」です。「誰でも直感的に使えるシンプルなインターフェース」と「法人向けの充実した管理機能」を兼ね備えており、飲食業や建設業、情報通信業や銀行業など幅広い業種の企業で利用されています。
心理的安全性の向上に役立つ「サンクス機能」
WowTalkには感謝の気持ちをデジタルレターで贈れる「サンクス」と呼ばれる機能がついています。テンプレートから好きなデザインを選んで、いつでも・どこからでも相手にサンクスレターを贈ることができます。
お互いに感謝を気持ちを伝え合う習慣を社内に定着させることで、感謝や称賛の気持ちが行き交うポジティブな風土が醸成可能です。
相手を尊敬・尊重する文化が根付くことで、従業員はどのような意見でも言いやすくなり、結果として心理的安全性の高い職場を実現できます。
サンクス機能つきビジネスチャット「WowTalk」を活用して、心理的安全性の高い職場環境を実現させましょう。
※ワウテック株式会社は2023年9月1日にグループ会社であるキングソフト株式会社と合併いたしました。