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テレワークのストレスはどうすべき?5つの原因と10個の解消法を紹介

公開日:2021.11.24 更新日:2023.10.03

新型コロナウイルスがきっかけとなり、現在日本企業のテレワーク化が加速しています。

しかしテレワークはまだ始まったばかりの勤務形態であり、オフィス勤務ほど洗練されていない部分が多いため、必要性を感じながら導入をためらう企業が多くあります。また正しい導入方法を把握していないまま、性急にテレワークを導入すると、社内に無用の混乱が起こり、従業員に大きなストレスを与えてしまう恐れがあるのです。

そこで今回はテレワークのストレス原因を5つ取り上げ、その解消法について、企業と従業員両方の視点から10個紹介していきます。

テレワークでストレスを感じる原因5選

日本のテレワークはまだ仕事上のルールや評価基準が確立しておらず、不完全な状態のまま従業員の自宅を仕事場にするため、ストレスが発生しやすくなります。

これらのストレスが日常的に積み重なると、従業員は仕事に対する意欲が低下し、毎日の業務に支障が出てきます。

ここからは、テレワークの不備から発生しやすいストレス原因を5つピックアップし、詳しくご紹介します。

原因①コミュニケーションの不足

テレワークでは定時の業務連絡やメールのやり取りの他は、1人で黙々と仕事をこなさなければなりません。

そのため従業員はどうしても孤独とコミュニケーション不足を感じることが多く、自宅で誰とも話さないまま行う仕事が苦痛となり、大きなストレスを感じやすいのです。

このような状況が長く続くと、従業員同士の信頼関係がギクシャクし始め、実際の業務に悪影響を及ぼすことがあります。

原因②仕事の張り合いを感じづらい

通常の業務では上司や周囲の同僚と常に連携しながら仕事をこなし、失敗すれば叱られますが、いい仕事をして結果を出せば上司から評価されるため、意欲的に仕事がこなせます。

しかしテレワークでは全部一人で仕事をこなし、いい結果を出しても評価基準が曖昧だと自分の仕事が正当に評価されていないと感じるため、不満が溜まりやすくなります。

これらの状況を放置すると従業員のモチベーションはますます下がり、最悪のケースでは退職届けを出すという行動に繋がることもあります。

原因③オンオフの切り替えが曖昧に

会社では1日のスケジュールがあらかじめ決まっているため、仕事上のオンオフの切り替えはスムーズに進みます。

しかしテレワークでは、1日のスケジュールを全部自分で決める必要があり、時間管理が苦手な従業員には、大きな苦痛になります。

テレワークで時間管理が上手くできないと、オンオフの切り替えが曖昧になり、仕事と私生活の両方に支障が出て、業務効率が大きく低下する恐れがあります。

原因④充実した執務環境がない

社内で当たり前に使っていた椅子や机も、テレワークでは自分で1つずつ揃えなければなりません。

また社内で使っていたPCがセキュリティ上の問題で持ち出し禁止となれば、新しく購入することになり、慣れるまではどうしても使い勝手が悪くなるでしょう。

このように最低限の執務環境を整えたとしても、長年慣れ親しんだ社内環境にはほど遠く、従業員は日々ストレスを感じることが多くなります。

またテレワークでは自宅に仕事場を持ち込む関係上、同居家族への配慮が重要です。

もしも家族の同意や理解が得られないときは、従業員本人と同居家族の両方に、大きなストレスが生まれる恐れがあります。

原因⑤業務効率の低下

例えば通常業務で、紙媒体のまま保管してある資料が必要になったときは、その書類を棚から出してコピーすれば済みます。

しかしテレワークの場合は、まず会社にメールをし、スキャニングデータを折り返し送ってもらうか、コピーした資料を郵送で送ってもらうことになります。

つまりテレワークは、アナログが関与するような業務などについては効率的にこなすことが難しいのです。そのため、業務内容によってはテレワークが従業員にとって余計な負荷を引き起こす種となってしまい、ストレスを感じやすくなるのです。

従業員向け|テレワークのストレス解消法5選

前章ではテレワークでストレスを感じる原因をご紹介しましたが、ここからはテレワークのストレスを「賢く解消する方法」を5つ取り上げ、従業員目線でご紹介していきます。

①こまめな連絡を心がける

テレワークを円滑に行うためには、上司や同僚同士がこまめな連絡を心がけ、チームとして仕事を行うことが重要です。

例えば、リアルタイムで会話ができるオンラインチャットを従業員全員が利用すれば、こまめな連絡も簡単にできるようになります。

オンラインチャットで意思疎通が緊密化されれば、従業員同士のストレスが軽減され、1つのチームとして動けるようになり、仕事の能率も上がるでしょう。

②執務環境を整える(必要に応じて家族の協力も得る)

テレワークの執務環境を効率的に整えるには、必要に応じて家族の協力を得る必要があります。なぜならテレワークを実施する場合、仕事と私生活が密接に関わることになるからです。

例えば小さい子供の夏休み中に、父親が自宅でテレワークをしていると考えてみてください。

子供たちは「遊園地に行こうよ! 海に連れてって!」とせがむでしょう。しかし父親には仕事がある。だから、母親など他の家族にそれらを頼むしかありません。

つまり家族の理解と協力を得ることができれば、従業員の負担とストレスは大幅に軽減される可能性があるのです。

③タイムマネジメントを行う

テレワークにおけるタイムマネジメントとは、仕事時間と自分の時間を「どのように分けるか?」ということです。

会社で仕事をしているときは、チャイムや社内放送、上司の指示などで、仕事が無理なくできるようにタイムマネジメント化され、勤務時間をそれほど意識する必要はありませんでした。

しかしテレワークの場合は仕事場が自宅のため、個々の都合にあわせ、必ず従業員自身がタイムマネジメントを行う必要があるのです。

例えば仕事時間を10時~19時と決めて、それ以外をプライベートとするなら、その時間帯は仕事で使うスマホやPCを「一切使用しない」という自主ルールを作り、日々守っていくことが大事です。

もちろんこれらはあらかじめ上司と同僚に了解を得てから、行うことが前提になります。

このように効率的なタイムマネジメントが確立できれば、仕事とプライベートがキッチリと区別できるようになり、毎日のストレスが軽減されます。

④軽めの運動を習慣化してストレスを発散

テレワークでは、ほぼ1日中自宅で仕事をするため、運動などで体を動かすことが少なくなります。

一般的に運動もしないで仕事ばかりしていると、気分的にも滅入ってしまい、ストレスが溜まり業務に支障が出てきます。

そのため、従業員は毎日時間を決めて散歩やダンスなどの軽い運動を行い、気分転換を図ることが大切です。

このような運動習慣は効果的なストレス解消法になり、業務の効率化にも役立ちます。

⑤睡眠時間を確保する

睡眠時間を確保することも、快適なテレワークを実現するうえでは重要です。通勤がないからといって夜更かしを繰り返すと、いつのまにか生活のリズムが狂い、適切な睡眠時間を確保できなくなる場合があります。当然のことですが、寝不足の状態で仕事に臨んでも、高いパフォーマンスを発揮することは困難です。身体的にストレスがかかることはもちろん、パフォーマンスを発揮しきれないことに対する精神的なストレスも増大が懸念されます。

同僚や上司の目がなく、高い自己管理能力が求められるテレワークにおいて、自分を律して仕事に臨むためには、意志の力に頼るだけでなく、土台となる身体の調子を整えておくことが大切です。

そして、そのためには、しっかりとした睡眠を取ることが重要になります。心身ともに充実した状態で仕事に臨めば、大きなストレスを感じることなく、仕事にも集中できるでしょう。「寝不足のせいで、パフォーマンスを発揮できない」という精神的ストレスも無くなるはずです。

企業向け|テレワークのストレス解消法5選

テレワークで発生する従業員のストレスは業務効率を低下させ、結果的に売上の減少に繋がることがあります。そのため企業側が率先して「テレワークの改善」に努めることが重要です。

この章では従業員のストレスを効果的に解消できる対策法を、企業目線で5つ取り上げ、詳しくご紹介していきます。

①コミュニケーションツールを導入する

テレワークでは従業員同士の連携不足で業務に支障が発生し、ストレスの増加に繋がることがあります。

連携の質を高めるためにはプライベートで使用しているチャットツールのような(LINEなど)、オンライン上で使用できるコミュニケーションツールの導入が有効です。

企業向け製品として、「ビジネスチャット」や「社内SNS」といった名称でサービスが提供されています。これらのツールはグループチャットの他、相手を指定した1対1のチャットも可能です。

またサービスによっては有料化が必要な場合もありますが、10人以上が参加できる音声通話やビデオ通話にも対応しており、従業員同士の連携強化に大きく役立ちます。

そのため企業はコミュニケーションツールの利用料を一部負担してでも、積極的に導入し、従業員全員に提供すべきといえるでしょう。

②定期面談を実施する

テレワークでは、上司と部下の直接面談を定期的に実施することが重要です。なぜならテレワークは通常勤務のように、上司と部下が直に話し合う機会が少ないため、十分な意見交換ができなくなるからです。

このような状況が長く続くと意思の疎通ができなくなり、双方の信頼関係が次第に崩れて、実際の業務に支障が出てきます。

これらの事態を回避するためにも、企業は従業員を定期的に出勤させ、業務会議などで上司と部下が直接面談できる機会を意識的に作ることが大切です。もしも出社が難しい場合は、Web会議システムを活用しオンラインで実施することをおすすめします。

③オンライン社内イベントを企画する

テレワークでは従業員同士が会えないため、コミュニケーションが不足しがちで、漠然とした不満やストレスを抱える従業員が多くなります。

しかしテレワークのことを一切忘れて楽しめる、オンライン社内イベントを定期的に主催すれば、従業員の不満やストレスを効果的に解消できる可能性があります。

例えば、ビデオ通話をしながら従業員同士がオンライン飲み会を開いたり、オンラインゲーム上で集まり、ゲームをプレイしながらコミュニケーションを深めれば、大きな気分転換になるでしょう。

また掛かった費用の何割かを企業側が負担すれば、従業員のモチベーションはさらにアップするはずです。

④テレワーク用に業務連絡の体制を見直す

テレワークの業務連絡はメールやチャットツールだけでは伝えきれないことが多く、従業員のやる気を低下させる原因になることがあります。

そのため企業は業務上の連絡体制を抜本的に見直し、上司と従業員同士が緊密にやり取りできる連絡体制を、率先して作り上げる必要があるのです。

例えばプロジェクト管理ツールを導入すれば、いままで社員がバラバラに行っていたタスクを一括管理できるようになり、閲覧履歴や編集履歴もすべて残すことができます。

また従業員の行動が把握しにくい場合も勤怠管理ツールを導入すれば、全従業員の勤務時間が可視化され、業務連絡を緊密に行うことが可能です。

さらに、月に1度はWeb会議システムなどを利用し、業務上の不備や課題をテーマにしたグループ会議を開くといった施策も有効に働きます。このような施策を通じて、テレワークの改善に努めることが大切です。

⑤相談窓口を設置する

テレワーク用の相談窓口を設置することも、従業員のストレス対策に有効です。窓口を設けることで、従業員はストレスを感じたときであっても、ひとりで抱えこむことなく、会社に相談することができます。

会社が解決できる問題であれば、直接的に従業員のテレワークストレスを除去することができますし、解決が難しいような問題であっても、その意見を今後の運用に活かすことで、会社としてテレワーク制度全体のブラッシュアップにつなげることが可能です。そういった意味で、テレワーク用の相談窓口を設置することは、従業員にとっても会社にとっても、ストレス対策に高い効果が見込める施策といえます。

実際に相談窓口を設置する際は、設置するだけでなく、周知方法にも工夫を施すのがおすすめです。ただ設置するだけだと、「設置しているけど、従業員がその存在を認知していない」という事態に陥りかねません。それでは、せっかく設置しても利用されず、形だけの無意味な施策になってしまうので、月末にメールでリマインドしたり、掲示板ツールにリンクを設置したりといった周知活動も、合わせて行うのがよいでしょう。

ストレスに正しく対処して快適なテレワークを

本記事ではテレワークで発生しやすい業務上の思わぬ不備が、従業員の大きなストレスの原因になるとお伝えしてきました。

これらは従業員が努力して解決するのと同時に、企業側もストレス解消に向けた努力と助言を積極的に行っていくことが重要です。

従業員と企業が協調して正しい対処法を施せば、機能的なテレワーク環境が実現し、業務の効率化と継続的な売上拡大に繋がるでしょう。

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