BCP対策(事業継続計画)とは?いまから始める策定手順とポイント解説。
2019年は1月3日の熊本地震に始まり、多くの地震や大雨などの災害がありました。下記はその一例です。皆さんの中にも記憶に新しいのではないでしょうか。
いまだ被災地では復旧に向けた活動が続いております。日常生活もさることながら、ビジネスという側面においても大きな影響をもたらしました。
そこで、今改めて見直されているのが「BCP対策」です。
皆さんはBCP対策という言葉をご存じでしょうか。2011年3月11日に発生した東日本大震災が発生した際にもよく耳にしましたが、万が一の有事災害が発生した際に備えて、BCP対策ができているのか、改めて問われています。
ここでは、BCP対策に関する基礎知識をはじめ、今企業として社員を守るためにどのような対策をすべきなのか、しなければならないのかをわかりやすく整理しました。
現在、対策に講じている方も検討の方も、きっと普段のビジネスシーンからも始められる対策が見つかるはずです。ぜひ一読ください。
目次
BCP対策とは?
BCPとは「Business continuity plan」の略で、事業継続計画と呼ばれています。
事件、事故、自然災害発生時などの緊急事態が発生した時に
●被害を最小限に抑え
●事業の継続や早期復旧を図る
ために、手法や手段を取り決めておく計画のことです。
BCP策定は法律や条例では義務付けられていません。しかし、災害対策を怠ることで、ビジネスの機会損失や場合によっては取引相手から契約違反などで訴えられるおそれもあります。こうしたリスクを避けるためにBCPを策定しておく必要があるのです。
BCP策定率の推移
下図からわかるように、大企業の約8割の企業が策定済み、または策定中であると答えています。
また国の防災に関する計画で、BCP策定率の目標を掲げられるなど、BCP策定は企業にとって重要な業務の一つとなっています。
国の防災に関する基本的な計画である防災基本計画において,平成17年に,企業がBCPを策定するよう努めるべき旨を記載し,平成20年には,国及び地方公共団体が策定支援等に取り組むべき旨を明確にするとともに,地域防災計画において重点を置くべき事項として位置付けたところである。
引用:(1)企業の事業継続計画(BCP)の策定・運用促進に向けた政府の対応 : 防災情報のページ – 内閣府
さらに,各地震防災戦略及び「新成長戦略実行計画(工程表)」(平成22年6月閣議決定)において,企業のBCP策定率を2020年までに大企業はほぼ全て,中堅企業は50%との具体的な目標を掲げた。
BCP策定手順
BCPの概要と重要性についてはご理解いただけたでしょうか。
続いて、ここからは具体的な策定方法を簡単に紹介します。ここでは、中小企業庁が公開している「中小企業BCP策定運用指針」をもとに、具体的な策定手順をまとめてみました。
BCP運用の3つのポイント
上記でまとめたBCP策定手順を踏まえ、運用時に重要となるポイントは3つです。下記に整理しましたので、自社でBCP対策を行う際の参考にしてみてください。
1. BCPの従業員への落とし込みの徹底。訓練の実施。
BCPを策定し、自社で円滑に運用するためには、BCP策定メンバーだけでなく、全社員の理解と訓練の実施が重要です。
具体的には、文書化し、周知や研修を行うことで社員に浸透させ、災害を想定した訓練を行うことによって、冷静に対処できる状態を実現します。
また、従業員が出社不可になった場合を想定して、テレワークなど在宅勤務が可能な体制づくりを行い、積極的に取り入れておくことも対策の一つです。
2. 定期的な見直し
一度策定したらそのまま……ではなく、リスクシナリオの見直し、復旧の優先順位の見直し、定期的な訓練による見直し、組織変更による見直し、使いやすいBCPへの改定など、今ある組織やリスクに対応できるBCPが必要となります。
なぜなら、震災だけでなく新型インフルエンザの蔓延、事業のステージが変わることでサプライチェーンが変わり、想定外の被害が発生するなど、企業を襲う事業中断要因となる事象が多様化しているためです。
特に定期的な訓練によって顕在化した課題に対しては必ず改定と周知を行いましょう。
3. はじめから100%を目指さない
リスク把握や事前準備など、どれだけ入念に対策を取ったとしても完全に災害等のリスクを防ぎきれるとは限りません。想定外なリスクが起こることを踏まれば、“完璧なBCP策定”は不可能とも言えます。議論ばかりで気づいたら何も進んでいない……とならないように、できることから導入・改善していくことも大切です。
BCP対策の一歩は安否確認方法の見直しから
緊急事態の際に必須になってくるのが、従業員の安否確認です。これまでは電話やメールの一斉送信などが行われていました。しかし災害時は電話回線の混雑や断線などで不通になったり、メールアドレスの変更で一部の人に届かず、全員の安否確認が困難な状況となっていました。
そこで弊社のビジネスチャット「WowTalk(ワウトーク)」では2019年から安否確認機能が追加されました。「安全」「安全ではない」「未回答」の3つの状態がが簡単に振り分けられ、その後はチャットのリアルタイムなコミュニケーションが可能になり、フォローも簡易にすることが可能となっております。
自然災害発生時や緊急時の情報共有手段としてお役立てください。
また、安否確認機能に限らず、WowTalkのトークを活用し、豪雨や震災の際に安否確認を実施された企業様の事例もありますので、あわせてご覧ください。
BCP対策(安否確認目的)でビジネスチャットを活用した事例
北都システム株式会社
北都システム株式会社 総務部 部長 城内 克典様
北海道・札幌市に本社を構え、東京・新横浜・名古屋・大阪に拠点を持ち、日本各地の企業のITシステムを支える北都システム株式会社。業務上、拠点間のチーム連携やクライアント先での出張作業など “異なる場所” で働くことが多く、電話やメールでコミュニケーションを取っていましたが、より円滑に連絡が取れるツールを求めWowTalkを導入しました。
2018年9月に発生した北海道胆振東部地震の際、道内の電気供給が完全に停止し、札幌本社を含め、ネットワーク機器が停止した中でWowTalkを利用しているメンバーだけが、タイムリーに連絡を取ることができたそうです。
▼北都システム株式会社の導入事例はコチラ
障がい者雇用から安否確認まで様々なコミュニケーション手段としてWowTalkが活躍
サツドラホールディングス株式会社
写真左から、業務システム部 IT基盤担当 成澤公彦 様、CIグループ 広報・CSR担当 吉田真紀 様、
総務部 庶務担当マネジャー 諏訪正彦 様
北海道を中心に約200店舗を構えるドラッグストア事業をはじめ、調剤事業、卸・商品開発事業、マーケティング事業などを展開するサツドラホールディングス株式会社。
働き方改革に向けた取り組みである「サツドラジョブスタイル」の一環として、2017年にスマートフォンを導入。その際、スマートフォンをビジネスツールの1つとしてより有効活用するためにも、社内のコミュニケーションツールとしてビジネスチャット・社内SNS「WowTalk(ワウトーク)」の採用を決断しました。
上述の北都システム株式会社同様に2018年9月に発生した北海道胆振東部地震の際の安否確認ツールとしてWowTalkをご活用いただきました。
▼サツドラホールディングス株式会社の導入事例はコチラ
北海道を中心に約200店舗を構えるドラッグストア運営で情報発信。緊急時の連絡手段としても大活躍
BCP対策とビジネスチャット
有事災害が発生した際、ビジネスチャットを上手に活用し、社員の安否確認をスムーズに行った事例が上記になります。ポイントは「有事災害の時にしか使わない」のではなく、「普段使いできるからこそ、万が一の際も慌てず使える」という点です。ぜひご参考までに一読ください。
※ワウテック株式会社は2023年9月1日にグループ会社であるキングソフト株式会社と合併いたしました。