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【新入社員研修】日報の書き方|基本項目や5つのコツを紹介

公開日:2022.05.13 更新日:2024.06.07

新入社員研修の一環で、新入社員に日報の作成を命じている会社も多いのではないでしょうか?

日報は、その日の業務内容を報告するための書類であり、社会人の方であれば、一度や二度は作成した経験がある方がほとんどだと思います。そのため、社会人の多くは、日報の大体の書き方について理解しているでしょう。

しかし、社会に出たばかりの新入社員にとって、日報は初めて触れるものです。そのため、具体的な書き方や書くべき基本項目はもちろん、日報を書かなければならない理由や仕事における意味も、理解が及んでいないケースが多くあります。

そのような状況で日報を書かせたとしても、ただやるだけの施策になってしまい、日報が本来果たすべき目的を果たせない恐れがあります。日報のポテンシャルを最大限に引き出すためには、書き手に、施策としての目的やコツを理解してもらうことが重要です。

そこで本稿では、新入社員の日報について、書き方のコツや、書く目的や意味を解説します。「新入社員に日報の目的や意味、書き方のコツを伝えたい」という研修担当者の方はもちろん、「上司から日報の提出を命じられたけど、どう書けばいいのかわからない……」と悩んでいる新入社員の方も、ぜひ参考にしてみてください。

新入社員が日報を書く目的や意味

会社が新入社員に日報の提出を命ずることには、きちんとした目的や意味があります。日報を書く際は、これらを理解したうえで作成にあたることが重要です。目的や意味を理解することで、日報を書く行為に対して書き手自身が納得感をもって取り組める他、目的や意図に沿わない形式で取り組んでしまうリスクを避けることができます。

ここでは、新入社員が日報を書く目的や意味を、3つのポイントにまとめて紹介します。

①上司が新入社員の状況を正しく把握するため

1つ目は、上司が新入社員の状況を正しく把握するためです。上司は、新入社員を教育するために、新入社員がどのような状況にあるのか、正確に把握しておく必要があります。どのような業務を行ったのか、業務に関する理解はどれほど進んでいるのか、モチベーションの状態に問題はないかなど、さまざまな事柄を知っておかなければなりません。上司は、これらの情報をもとに、研修のプログラムや今後の教育方針を検討していきます。

しかし、上司も自分の仕事を抱えているので、新入社員に付きっきりで対応することは困難です。場合によっては、複数の新入社員を担当するケースも少なくないので、期間中、ずっとマンツーマンで見てあげることは、現実的に見て難しいといえるでしょう。

そこで登場するのが、日報です。日報には、その日の業務内容や書き手の所感が記入されています。新入社員の状況を、目視や対面のコミュニケーションで確認するのが難しい状況でも、日報があれば、上司はそこから新入社員の状況を把握することができるのです。

このように、日報は、上司が新入社員の状況を把握するために重要な役割を担います。そのため、新入社員研修において、日報は必要なものといえるわけです。

②新入社員自身が振り返りの習慣を身につけるため

2つ目は、新入社員自身が振り返りの習慣を身につけるためです。日報を書くことで、自分がどのような仕事を行ってきたのか、何を学んできたのかを振り返る機会が得られます。そして、それを毎日繰り返すことで、振り返りを習慣化することができるのです。

ビジネスにおいて、振り返りを行うことは非常に重要です。やりっぱなしだったり、ただ惰性で仕事をこなしているだけだったりといったように、振り返りを怠っていると、自身の活動に課題を見出すことができず、改善行動を取れないためです。

新入社員の頃から、日報を通じて振り返りを習慣化しておくことで、課題の発見から改善行動の実践までのサイクルを回す素地が身につき、ビジネスパーソンとしての成長速度を加速させることができます。

③会社全体に新人教育の意識を定着させるため

3つ目は、会社全体に新人教育の意識を定着させるためです。新入社員の教育は、人事部や担当部署だけでなく、会社全体として取り組むべきものです。そのため、直接かかわる機会のない社員にも、当事者意識をもってもらう必要があります。

そこで重要な役割を担うのが、日報です。新入社員が書いた日報を社内で共有することで、新入社員と直接かかわる機会が少ない社員も、新人教育について関心を抱けるようになります。「新入社員は何を学んでいるのか」「どのようなモチベーションの状態なのか」「どのような人物なのか」を知ることで、新入社員を同じ会社で働く仲間として強く認識することができるのです。

とりわけ、新入社員がかかわる機会の少ない部署は、新人教育を自分ゴトとして捉えにくい傾向にあります。そういう部署があると、新入社員が会社になじみにくいだけでなく、部署間に軋轢が生まれてしまう恐れもあります。

そのため、日報を通じて、会社全体で新人教育の意識を定着させることは、会社の成長を促進する意味でも、とても重要なことといえるでしょう。

新入社員が日報に書く4つの基本項目

新入社員が日報を書く目的や意味を理解していただいたところで、日報に書く具体的な内容に触れていきます。日報は、自由記述ではなく、設定した項目に沿って書くことが一般的です。ここでは、新入社員の日報に必要な4つの基本項目を紹介します。

①今日の目標

その日の目標を記入する項目です。例えば、「与えられた課題を提出する」「サービスについて自己理解を深める」などの内容が挙げられます。今日の目標を記入する理由は、記入することで、目標に対する自身の行動について、振り返りが行えるためです。振り返りを行うことで、自身の行動の反省点やよかったポイントを知ることができ、翌日からの行動を、より目標達成に即したものに改善することができます。

②業務内容

その日の業務内容を記入する項目です。行った業務や研修の内容について、記入します。具体的には、「ビジネスマナー研修受講」や「〇〇社への商談同行」などです。研修期間中なのか、すでに業務を開始しているのかによって、内容が異なります。

業務内容を記入する理由は、上司に、自分がどのような業務を行ったのかを正確に共有・報告するためです。前に説明した通り、上司は常に横についていられるわけではないので、日報から共有と報告を行う必要があります。上司は、その日報の内容をもとに、新入社員の状況や状態を把握し、今後の新人教育についてさまざまなことを検討していきます。

③所感

その日の活動を振り返ってみての感想や、自身が行った業務に対する振り返りを記入する項目です。例えば、「研修を通じて学んだこと」や、「業務をやってみての反省点や気がついたこと」、「先輩社員の仕事ぶりを見ての感想」などを記入します。

所感の記入が必要な理由は、振り返りを言語化して記録し、共有するためです。振り返りが重要なことは前述の通りですが、業務内容を書くだけでは、その日の活動を思い出して羅列しているだけで、有効な振り返りとはいえません。何に気づき、何を得たのか、そのうえで明日からどうすべきなのかを、所感として言語化することで、経験や気づきを具体化して自身の中に落とし込むことができます。また、それを日報として上司に共有することで、内面的な成長の度合いも、上司に把握してもらうことができます。つまり、所感を書くことで、振り返りの精度を高められるだけでなく、内面の成長状況も上司に報告できるというわけです。

④明日の予定

明日の予定を記入する項目です。明日に行う予定の、業務や活動について記入します。新入社員研修でありがちなのが、「新入社員の手が空いてしまうこと」です。研修スケジュールの組み立てや、日々の情報共有、チーム内の連携がうまくいっていないと、このような状況に陥ることがあります。明日の予定を日報に記入することで、上司や教育担当者が、新入社員の行動予定を把握することができるので、例え、明日の予定が埋まっておらず、手が空いてしまう場合でも、翌日までに対応策を講じることができるのです。このように、日報に明日の予定を記入することは、新入社員研修の効率化に役立ちます。

新入社員が日報を書くときのコツ5選

新入社員の日報は、前節で挙げた4つの基本的な項目を網羅することで、一定のクオリティに仕上げることができます。しかし、ただ漫然と項目に沿って記入するだけでは、見た目を整えることはできても、日報のポテンシャルを最大限に発揮することはできません。よりハイクオリティな日報に仕上げるためには、書き方のコツを押さえることが肝要です。新入社員の日報の書き方について、5つのコツを紹介します。

①内容に具体性を持たせる

1つ目は、内容に具体性を持たせることです。そうすることで、第三者から見てもわかりやすい日報を書くことができ、正確に情報を共有することができます。例えば、業務として「営業同行」を行ったとしましょう。このことを日報に書くとき、ただ「営業同行」と書くだけだと、確認する上司は、「どこにいったのか」「誰といったのか」「何を営業していきたのか」といった詳細な情報がわからないので、新入社員の業務内容を正しく把握できないことになります。それでは、日報として不十分です。各項目の内容は、第三者に読まれることを想定して、具体的に書くようにしましょう。

実践のコツとしては、「5W1H」を心がけるのがおすすめです。「When=いつ」「What=何を」「Who=誰」などを意識することで、情報を網羅的に表現でき、内容に具体性を持たせることができます。

②要約する

2つ目は、要約して書くことです。日報は、とにかく量を書けばいいというものではありません。内容に不必要な情報まで含めてしまうと、本来伝えるべき情報が埋もれる恐れがあるためです。日報を書くときは、伝えたいことや要点を絞り、文章を要約するように心がけましょう。

実践のコツとしては、文字数に制限を課すことが有効です。100文字以内といったように上限を設ければ、その範囲に情報を収めなければならなくなるので、文章を要約するトレーニングになります。

③気づいたことは都度メモを取る

3つ目は、業務時間中に気がついたことは、その都度メモを取るようにすることです。日報は1日の終わりに提出するケースが多いので、退勤時間の間際に記入するのが一般的ですが、そのときになって、全ての内容を書こうとすると、書きたいことを忘れてしまっている場合があります。それではもったいないので、業務時間中に得た気づきや日報に書きたいと思ったことは、その都度メモを取るようにして、あとでまとめるといったように書けるとよいでしょう。

④読み手の存在を意識する

4つ目は、読み手の存在を意識することです。当然ですが、日報は誰かに読まれるために作成するものです。作成した日報は、上司や教育担当者、チームメンバーなど、社内のさまざまな人間に読まれることになります。

社会人になるまでに、読み手を強く意識して文章を作成する機会はそうそうあるものではないかと思います。そのため、初めて日報を書く新入社員の方の中には、書いた文章の先に読み手がいることを念頭に置けず、目の前の項目をただ埋めるだけの意識で日報を書いてしまうことがあります。

そのような心構えで文章を作成すると、機械的な表現になりやすいので、最低限の情報は伝達できたとしても、読み手を感心させられるようなクオリティに仕上げることは難しいといえるでしょう。書けばよいという意識なので、誤字脱字を見過ごしやすいデメリットもあります。

「自分が書いた文章は、誰かに読まれるものなんだ」という視点をもつだけで、文章作成に対する意識が変わります。読み手の目線で文章を書けるようになり、そうなると、読み手が求めているものが見えてくるので、書くべき内容も自ずとわかるようになるのです。そのため、日報を作成する際は、読み手がいることを意識して書くことをおすすめします。

⑤時間をかけすぎない

5つ目は、作成に時間をかけすぎないことです。日報は、あくまでも社内で活用するための報告書類であり、それ自体が収益を生み出す仕組みはもっていないので、できる限り、短時間で作成できるのが理想です。目安としては、20〜30分ほどで作成できるとよいでしょう。時間短縮のためには、3つ目のコツとして紹介した「その都度メモを取ること」の活用がおすすめです。業務の合間に日報のネタを作れるので、仕上げの作業が楽になります。

まとめ

新入社員が日報を書く目的は、大きく分けて3つあります。その3つとは、「上司が新入社員の状況を正しく把握するため」「新入社員が振り返りの習慣を身につけるため」「会社全体に新人教育の意識を定着させるため」です。

また、新入社員が日報を書くときに必要な基本項目は、「今日の目標」「業務内容」「所感」「明日の予定」の4種類です。これらの項目を記入することで、日報に必要な基本的情報を網羅できます。

さらに、日報を書くうえで、よりそのクオリティを高めるためには、5つのコツを押さえることが肝要です。その5つとは、「①内容に具体性を持たせること」「②要約すること」「③気づいたことは都度メモを取ること」「④読み手の存在を意識すること」「⑤時間をかけすぎないこと」の5つです。これらのポイントを押さえることで、日報という施策が本来もっているポテンシャルを最大限に引き出すことができます。

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