牧場にもコミュニケーション革命を!「リアルタイムな情報共有で “牛の命”を救える確率が高まる」

 
島根県大田市に本場、広島県世羅郡に分場を構える農事組合法人吉浦牧場(以下、「吉浦牧場」)は、子牛から成牛に育てる「自家育成」を行い、子牛の頃からストレスのない環境で育てあげることにこだわりを持ち、高い品質の生乳を出荷しています。同牧場は、年間13,600トンの生乳を出荷する酪農業を軸に、牛のフンから作った堆肥を利用した野菜づくりをする農業まで、40名ほどのスタッフで手掛けています。

その吉浦牧場の分場、世羅つくし分場では、58haの広大な土地で約1200頭の牛を育成しており、その広大な土地ならではの課題を抱えていました。

牛の体調管理から分娩介助まで、約20名のスタッフが持ち回りで対応しており、迅速なコミュニケーションを図りたいが、最適な解が見出せず悩んでいたといいます。そして、この課題は、時に牛の生命に直結する深刻な課題でもあります。

その解決策の1つとしてコミュニケーションを正確かつ素早く実現できるサービス(ソリューション)の導入を検討してました。

そこで今回、吉浦牧場の理事、世羅つくし分場の場長の田村勇耕 様に酪農の現場における実情や起こりうる課題、そして、ビジネスチャットを導入したことで変化したことについて実際の活用事例を基にお話を伺いました。

 

1,200頭の牛の育成や管理を約20名のスタッフで対応。情報共有が課題に……

 

image4農事組合法人吉浦牧場 理事 獣医師 田村勇耕 様

【導入の背景・課題】
■課題1:グループウェア利用時の操作性に課題があった
■課題2:口頭や付箋での情報共有で抜け漏れが発生することがあった
■課題3:外国人スタッフも在籍。言語や専門用語という点で意思疎通に課題があった

 
― ワウテック担当者
まず初めに、ビジネスチャットの導入にいたった背景を教えていただけますでしょうか?

 
― 農事組合法人吉浦牧場 世羅つくし分場 理事 獣医師 田村勇耕 様(以下、「吉浦牧場 田村 様」)
私が場長を務める吉浦牧場 世羅つくし分場では、1,200頭の牛を飼育しています。当牧場では子牛から乳牛や和牛を育てる「自家育成」に取り組んでおり、年間約700頭の子牛が産まれるのです。世羅つくし分場には20名ほどスタッフが在籍しているのですが、牛1頭ずつスタッフが見回りをし、分娩の介助をしています。

少ないメンバーで担っていますが、そのほとんどの業務が“牛の生命”に直結する仕事です。それゆえに、効率的かつ正確な情報共有を行う必要があります。

今までは、私を含む幹部のメンバーでグループウェアを使い、スケジュール管理や情報共有し、それを各スタッフたちに付箋のメモで共有するほかに、分娩などの緊急時には口頭、電話でコミュニケーションを取っていました。しかし、これらの方法では情報の正確な伝達という点で課題に……。

付箋では、全員が必ずしも同じタイミングで目をとおすわけではないですし、確認したかどうかも個別に確認するまではわかりません。さらに、親牛の分娩介助のような業務は複雑で、分娩の段階を言葉だけで伝えきるのが難しいのです。外国人スタッフも働いているため、場内でのコミュニケーションは重要でありながら大きな課題がありました。

そこで、業務コミュニケーションの改善手段として、ビジネスチャットを導入しようという話になったのです。

 
― ワウテック担当者
すでに幹部の方たちの間でグループウェアをご利用されていたとのことですが、全スタッフ向けにビジネスチャットを検討したのはどのような理由があるのでしょうか?

 
― 吉浦牧場 田村 様
グループウェアは、スケジュール管理やファイル共有、グループに向けた業務共有という点で高機能で優れていたのですが、チャット機能が少し使いづらいなと感じていました。

分娩や怪我や病気の緊急対応など、牛の命を守るために一刻を争うような状況において、“連絡が取れない”ということは避けなければなりません。

そこで、リアルタイムでのコミュニケーションという観点において、グループウェアよりもビジネスチャットの方がメリットが大きいと感じたのです。

 
― ワウテック担当者
実際にビジネスチャットを現在利用されていて、そのあたりはいかがでしょうか。

 
― 吉浦牧場 田村 様
コミュニケーションの即時性やスピード感が、ビジネスチャットの強みの1つだ!というのを、まさに体感しています。なので、グループウェアも維持しつつ、スタッフとのコミュニケーションはビジネスチャット、というように使い分けようという判断に結果的になりました。

また、それと平行して導入を決めたのが、スマートフォンで利用できる農業管理ツールです。当牧場では酪農のほか、牛のフンを活用し堆肥を作り農場運営もしています。そこで、作物の育成記録や圃場の状況管理ができるツールが業務効率化を行う上で適していると判断しました。

酪農ではビジネスチャットを。そして、農業では農場管理ツールというように、業務によってもツールの使い分けを行うことにしました。

 

テキストだけでなく写真や動画で現場の状況を正確に伝達できることが導入の決め手に

 
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【サービス選定のポイント】
■ 操作性が良く、新しいスタッフの導入教育不要で利用できる点
■ 写真や動画で牧場の状況をスピーディかつ明確に共有できる点
■ 個人名も確認できる既読/未読の表示により「送った人が読んだか」を確認できる点

 
― ワウテック担当者
弊社のビジネスチャットをお選びいただいた決め手はどこにあるのでしょうか?

 
― 吉浦牧場 田村 様
上記でお話したように、ビジネスチャットの導入を検討しているタイミングで、当牧場のスタッフが営業担当さんにお声がけ頂きました。

現在、普及している個人向けのチャットアプリと近い操作性で誰でも簡単に利用でき、写真や動画をチャットで共有でき、既読と未読がひと目で把握できるというニーズを満たしていることで、「これは良いね」という話になったんです。

 
― ワウテック担当者
基本的なチャット機能を備えていることが決め手の要因とのことですが、他社のサービスなど合わせて検討することはございましたか?

 
― 吉浦牧場 田村 様
個人向けチャットアプリや、そのアカウントをビジネス版として紐付けられるサービスも候補には挙がりました。

こうしたサービスは酪農業界でも利用している事例を見聞きはしていたのですが、そもそも私自身が個人向けアプリを利用していなかったため、むしろハードルに感じました。

WowTalkの場合は個人のアカウントと紐付ける必要もなく、責任者が全ての端末のアカウントを発行してそこで管理が行える点が効率的です。先程申し上げたように、酪農と農業でツールの用途も切り分けて使っていきたいと考えていたのでアプリ自体の利便性と、アカウント管理という視点からWowTalkを導入しました。

 
― ワウテック担当者
導入当初、「このように使っていきたい」といったサービスへの期待はありましたか?

 
― 吉浦牧場 田村 様
迅速な情報共有はもちろんのこと、既読/未読が個人名単位で確認できることに期待をしました。口頭や電話、付箋での情報共有では、誰にどこまで情報が行き届いたのか、必ず見て欲しいと思ったメンバーが見てくれているのかをひと目で確認できることで改善できる業務はたくさんあるからです。

冒頭でお話した牛の健康管理や分娩はもちろん、酪農に必要な機器の状況、故障していないかどうかといった安全に業務をすすめる上で欠かせない情報共有を円滑に行えるようになるのではと期待していました。

 

牛の病気や分娩などの緊急対応時に命を救える確率が向上した

 
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【導入後の効果について】
■ 「言った/言わない」を防ぎ、コミュニケーションの確実性が向上
■ 年間700頭産まれる仔牛の分娩対応が迅速かつ正確にできるように
■ 新機能「翻訳機能」で外国人スタッフとのコミュニケーションが円滑化

 
― ワウテック担当者
ビジネスチャットを導入したことにより業務に変化はありましたでしょうか?

 
― 吉浦牧場 田村 様
期待どおり、広い牧場内でのコミュニケーションで感じるストレスが大幅に軽減され、情報共有のスピードも明確に向上しました。そして、すべてがテキスト情報として記録されるビジネスチャットだからこそ、伝達後の「言った/言わない」のような齟齬も無くなりました。

伝えたはずなのに、その当事者に伝わっていないと何が起こるのか。

例えば、それが親牛の分娩の途中で起きたとします。分娩のステージによって、情報の伝達ができず、たった数分の対応が遅れることにより、親牛や子牛を死なせてしまうこともあります。牛1頭あたりの経営上の影響というのは非常に大きく、牛を健康に育てることは経営に直結します。

だからこそ、情報の抜けや漏れを防ぐことが実現できるというのは非常に大きなメリットなのです。

 
― ワウテック担当者
外国のスタッフの方もいらっしゃるとのお話でしたが、日本語のコミュニケーションも円滑に取れていますか?

 
― 吉浦牧場 田村 様
外国人研修制度やエンジニアで来日する外国人は、日常会話レベルの日本語が理解できたり、日本語の勉強を続けながら働いているため基本的には日本語で問題無い場合がほとんどです。とはいえ、急ぎの連絡など日本語よりも英語のほうが素早いということから英語のコミュニケーションを行うこともあります。

当牧場がWowTalkを導入した後に追加された「翻訳機能」がありますよね。導入後に思わぬ驚きというか、ニーズにマッチした機能が追加されたため早速活用しています。スタッフが利用している端末も合わせて標準で自動翻訳に設定しています。機械翻訳なので日本語と英語が交じる場合や専門用語など特殊な単語の翻訳は難しい場合もありますが、ニュアンスを汲み取れることにより、以前よりも格段にコミュニケーションが取りやすくなりました。

 
― ワウテック担当者
スタッフの国籍問わず、コミュニケーションが円滑に取れるようになったのですね。

 
― 吉浦牧場 田村 様
そうですね。まだ完璧というわけではないですが、外国人スタッフもスタンプを使ってカジュアルなコミュニケーションをしてくれるようになり、マネジメントをする立場としてもそうした言語の壁を超えて活発にコミュニケーションできるのは純粋に嬉しいなと感じています。

通常は業務連絡で絵文字やスタンプのようなカジュアルなやり取りって抵抗あると思うんですけど、「ありがとう」や「お疲れ様」「この仕事の対応を終えました」などスタンプで気軽に送ると、チームとして明るくなったなあとホッとします。なので何気ないコミュニケーションという意味でも効果はあるのかなと思いますね。

 

スタッフ全員が牧場の状況を確認できることにより経験問わず情報のキャッチアップが可能に

 
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― ワウテック担当者
そのほか、当初想定していなかったビジネスチャットの活用法などありますか?

 
― 吉浦牧場 田村 様
先ほど「現場の状況をテキストや写真、動画で正確に伝えられること」を想定して導入し、期待通りの効果が出ているというお話をしましたが、実はそれに加えて良かったと感じるポイントがありました。

それが “情報を時系列で追える” ため、誰でも情報の格差無く、常に見られるということです。

私はよく吉浦牧場の本場(島根県)へ出張することもあり、業務時間の中でつくし分場を離れている時間があります。そうした状況でも常につくし分場の状況がビジネスチャットを通して把握でき、指示出しまで完結することもあります。

それだけではなく、牧場に入社するスタッフの多くは、酪農や農業が未経験で入り仕事をしながら学ぶ機会がたくさんあります。広大な牧場で人員も限られているため、一人ひとりに研修するということも難しいのですが、ビジネスチャットで常に牧場の状況や対応の流れをリアルタイムで知ることができるため、未経験でも情報のキャッチアップが早くなりました。

専門用語がわからなくても、「この写真のような状況になったらこのように対応する」「牛の分娩の段階でこういった状況になったらすぐに介助が必要」そうした流れを掴むことができます。

今まで先輩たちの知見は経験を通して学ぶというのが業界的には常識とされていましたが、このように言語や写真データで残すことによって、そうした従来の文化を改善していくことにつながると思っています。

 
― ワウテック担当者
吉浦牧場様ではビジネスチャット、農場管理ツールなど積極的にIT活用を進めてらっしゃる印象があります。最後に、今後これらのツール活用によって目指していることを教えていただけますでしょうか。

 
― 吉浦牧場 田村 様
酪農や農業のような一次産業の業界は、高齢化が著しく、かつ若手の人材不足という大きな課題があります。経験や専門知識、体力を使うハードな仕事でもあるのでなかなか簡単に改善できるというものでもありません。ただ、国内における酪農や農業というのは無くてはならない存在です。

例えば、日本で酪農がなくなれば、生乳が市場から減ってしまいます。そうなると、海外から粉末にしたミルクを輸入し水に溶かすという手段になります。でも、日本の消費者は味覚に敏感なので満足してもらえないんじゃないかと思います。また、酪農王国と呼ばれる北海道でも人材不足が叫ばれています。

今までのやり方を続ければ、間違いなく生き残ることは難しいんですよね。なので、積極的にITツールを活用したり、AIやセンサー、IoTといった先進的な技術を取り入れて少数精鋭で牛の育成から搾乳、品質管理といったところを手掛けることを考えることが重要だと思っています。

ビジネスチャットは場内で働く少数精鋭のスタッフで効率的に確実に連絡を取り合う手段であり、情報を可視化して蓄積するツールとしてとても重宝しています。それに加えて業界に特化したツールも活用することで、新しい酪農や農業の仕組みを作って生き残っていきたいと強く思っています。

 
インタビューは以上となります。

このたびは貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。今回インタビューを通じて頂戴した情報を、今後のサービス品質の向上等に役立てていきたいと考えています。引き続き、何卒宜しくお願いいたします。

 
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農事組合法人 吉浦牧場
代表理事(牧場長):田村雅登
事業内容:酪農業・野菜
住所:広島県世羅郡世羅町大字津口810番地(農事組合法人 吉浦牧場世羅つくし分場)
URL:http://www.yoshiurabokujo.or.jp/index.html

 

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