マネージャーは “無駄な会議” によって「思考の深さ」を失う
こんにちは。株式会社HARES 代表の西村創一朗です。私は複業研究家/人材コンサルタントなど、様々な角度から「働き方」に関する情報を発信しています。
本連載では、「働き方」や「コミュニケーション」をテーマにお話していく予定です。
前回は、「定例会議」を軸に「ビジネスのスピードを落とす原因」についてお話しました。2回目となる今回は、「思考の深さを失う原因」についてお伝えしていきます。
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「定例会議」がビジネスを遅らせる?その原因とは……?!
目次
スピードだけじゃない!「思考の深さ」を失う理由とは
マネージャーは「定例会議」や「1 on 1」など、チームメンバーとのコミュニケーションに多くの時間を費やすことが必要です。その結果、自身の時間を作り出せず、ビジネスのスピードを落としてしまう、というのが前回のお話でした。
ただ、実は失うのはスピードだけではありません。実は「思考の深さ」をも失う可能性があるのです。
そこで、皆さんにこの機会にぜひ知ってもらいたい言葉があります。それが「Dive Deep」です。
Dive Deepとは、「リーダーは常にあらゆる業務に気を配り、詳細まで認識し、リーダーが関わるに値しない業務はない」ことを意味します。
もちろん誰もが承知のように、「思考の深さ」とそれを前提としたコミュニケーションは、会社で重要な意思決定をしたり、事業の未来を議論したりする際に必要不可欠です。
例えば、世界トップのグローバル企業、米Amazon.com社が掲げる「Our Leadership Principles(リーダーの原則)※1」においても「思考の深さ」を重視する項目があります。まさに、それこそが「Dive Deep」です。
つまり、リーダーにとって「思考の深さ」はそれだけ重要と言えます。
1人で思考する時間が必要不可欠
では、「思考の深さ」とは一体何なのでしょうか。
皆さんは何だと思いますか。
思考に深みを持たせるためには、十分にインプットするための時間が必要になります。そして、インプットした知見から考え抜く時間が必要です。如何に、誰とも話さないで思考できる「自分の時間」を確保することがビジネスを推進するために大切と言えるでしょう。
しかし、冒頭でもお伝えしたとおり、マネージャーは朝から晩まで会議ということも珍しくありません。そうした状況が続けば、思考の深さが失われるのは明らかです。
実は、「思考の深さ」というのは、業界や分野に対する深い理解や教養、実務に根ざした知見などを指すのです。
1日4時間、最低でも2時間は「思考する時間」を確保すべし
皆さんは、1日8時間、週40時間の業務時間の中で何%を会議に割いているでしょうか?
ご自身で考えを深める時間を確保できていますか?
マネージャー定例やプロジェクト単位の定例会議、部署ごとの定例会議、メンバーとの1 on 1など、普段の業務の中で「ルーチン化」された会議がたくさんある場合、定時後や週末を利用して自分の時間を確保している方もいらっしゃるかもしれません。
とはいえ、ご家庭やプライベートな時間もあるはずです。空いた時間すべてを自分に費やすことはほぼ不可能です。1日は24時間であり、使い放題ではありません。
ではどうすれば良いのでしょうか。
まず行うべきは、会議の削減です。資料を読み合わせるだけの会議や、アジェンダが不明確な会議のように無駄と感じる会議を減らしてみましょう。
そして、資料の共有やアイデアの相談のように、必ずしも会議である必要のないコミュニケーションは、ビジネスチャットなどのコミュニケーションツールによって代替しましょう。「対面で会議する」以外の手段を選ぶことも時間を確保する上で有効です。
こちら詳しくは、ワウテック代表取締役の瀬沼さんとの対談記事で触れていますので、ぜひご一読ください。
ゆっくり読書をしたり、業界の理解を深めるための時間を1日4時間、最低でも2時間は確保してみてください。
▼対談記事はこちら▼
【西村創一朗×ワウテック】ビジネスチャットで生まれる新しいワークスタイル【前編】
「より良い意思決定を行う」ために必要なことを考えよう
今回は、思考の深さを奪う原因やその解決策についてお話してきました。
マネージャーにとって重要なのは「多くの会議に参加すること」ではなく、「より良い意思決定を行う」ことです。
そして、より良い意思決定を行うためには「深い思考」が前提となります。
無駄な会議の時間を減らすことは、前回お伝えしたビジネスのスピードを加速させるだけではなく、深く考える時間を確保するという意味でも、とても重要です。
皆さんも今回の記事をきっかけに、「思考する時間があるか」「会議などに時間を費やしすぎていないか」と今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
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※ワウテック株式会社は2023年9月1日にグループ会社であるキングソフト株式会社と合併いたしました。